奈良女子大の学生たちが5日、壺阪寺や高取城跡で知られる奈良県高取町を見て歩き、住民らに取材して作った「高取城下の新しい観光コンテンツ」の発表会を開いた。多言語の観光マップやパンフレット、イベント企画などさまざま。今後も、町民の意見を聴きながらアイデアを実現させる方針だ。
取り組んだのは、文学部や工学部から集まった、国際交流や地域振興に関心が高い学生たち。町観光協会や、たかとり観光ボランティアガイドの会の協力で、今年4月からアイデアを練っていた。
発表会があった町リベルテホールの一室には、約100人の町民らが集まった。学生たちは、3、4人ずつの5チームそれぞれで作ったコンテンツを披露。ベトナムや中国の留学生たちもおり、多言語のコンテンツ作りができたという。
各チームは、コンテンツのスタイルやターゲット、工夫した点などを説明。寺や神社、四季折々の花、お土産などの写真や動画をインスタグラムに投稿してハイキングコースを紹介したり、高取町が「くすりの町」であることに着目して、「くすり資料館」や薬膳料理の店などを町の人のインタビューを交えて伝えたりするパンフレットなどの内容を解説した。
また、イベント企画の提案もあった。漢方やオーガニックに関係する事業者などに出店してもらう「健康と癒やしのマルシェ」、薬用に使われるキハダの皮を使った染め物体験や、写真撮影を通して町の魅力を発見するフォトラリーをセットにした「おとなの遠足」。いずれも町の歴史や文化、自然を生かしたアイデアだ。
発表の後、観光ボランティアガイドらは「期待以上だった。ヒントをもらった」「視覚に訴えるのがうまい」「町のストーリーに重点を置き、工夫している」など、評価する声が相次いだ。
担当の水垣源太郎教授(社会学)は、「意見を元に、よりよいコンテンツにしていきたい」と話した。それぞれのコンテンツの詳細はQRコードから。