病気で親を亡くすなどした子どもの進学を支援する「あしなが育英会」(東京)が、春の街頭募金を19日から全国で行う。資金不足で、昨年度は奨学金を申請した高校生の4割強にしか支給できなかったため、同会は寄付集めに力を入れる。一方、政府が始めた「高校無償化」によって奨学金が不要になるのでは、と誤解する声も寄せられているという。
支援者からも出る「不要では?」の誤解
「高校授業料の無償化が決まってから、『奨学金はいらなくなるのでは』という電話が何本もある」。あしなが育英会寄付課の杉野皓己(こうき)さん(31)はため息をつく。
継続的に寄付してくれている人たちからの言葉だといい、「誤解が広まって街頭募金が減れば、子どもたちに十分な奨学金を出せなくなる」と懸念する。
誤解が生じているのは、今年度から実質的に始まった「高校無償化」によって無償となる費用の範囲だという。
この施策は、国公私立の高校…