タイガー魔法瓶のステンレスボトルの真空断熱技術を生かした断熱材を用いたコンテナなど=2025年5月28日午前11時10分、大阪府高槻市

 タイガー魔法瓶や日本通運などは5月28日、大阪・夢洲(ゆめしま)で開かれている大阪・関西万博会場への食品の輸送で、ステンレスボトルの真空断熱技術を応用した断熱材の箱を試す、と発表した。これまでの輸送用の箱に比べて断熱効果が大きいため、保冷剤や保冷車がなくても冷凍・冷蔵食品を運べるという。

 断熱パネルは、タイガー魔法瓶が開発。ステンレスの薄板(箔(はく))の間にグラスウール系の心材を挟んで縁を溶接し、空気を抜いて真空にしたものだ。強度を高めるため、岐阜プラスチック工業(岐阜市)の軽くて強い特殊な樹脂板で挟み、箱にしたり、コンテナの壁に貼り付けたりして使う。

 タイガー魔法瓶で開発を担当した南村紀史マネジャーは、「40年ほどステンレスボトルを作り続けて優れた断熱性能がわかっており、使い道を広げたかった」と話す。

 だが、実現はそう簡単ではな…

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