阿部純子さんが収集したキンメダイやハタハタの耳石=2025年6月10日午前10時40分、大山稜撮影

 魚の頭にある石状の組織「耳石」。宮城県は「魚の宝石」とも呼ばれる耳石の収集家に「ハンター」と認定する独自の取り組みをしている。魚を食べない「魚離れ」が進む中、魚食の普及や水産業への関心につなげることが狙いの一つだ。

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 耳石は、魚の頭の骨の中にできる白くて薄い炭酸カルシウムの結晶。左右に一つずつあり、平衡感覚や聴覚を保つ役割がある。ほぼ全ての魚にあるとされ、魚種によって形や大きさはさまざま。樹木の年輪のようなリング状の模様がついていて、魚の年齢を測ることもできる。見つけたときの感動や収集の楽しさから、尾頭付きの魚を食べるきっかけにしてもらう狙いだ。

 県産地魚市場協会と県は共催で、小学生などを対象に耳石の採り方を体験できる「ハンター養成講座」を2018年から定期的に開催している。20種類集めたら一つ星、50種類集めたら二つ星、と収集数に応じた認定制度も設けている。

 6月10日、大量の耳石をコレクションした収集家たちへの認定式が県庁であった。出席したのは、仙台市泉区の行政書士、阿部純子さん(50)と仙台二華高校2年の斎藤啓輔さん(16)=同市若林区。2人は100種類の耳石を集めたコレクターで、最高位の「三つ星」の認定証を受け取った。

 県によると、県内で1年間に日常的に出回る魚は60種類程度で、根気強く鮮魚店に通わなければ100種類に達するのは極めて難しいという。三つ星の認定者は2人を含めてこれまで5人しかおらず、学生では斎藤さんが初めてという。

食卓は連日「魚尽くし」

 斎藤さんは、小学4年の時に…

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