4月初め、朝日新聞東京本社の文化部に1通の封書が届いた。 400字詰め原稿用紙10枚につづられたエッセーだった。タイトルは「80年前の私」。空襲で焼け野原になった街で、当時13歳だった「私」は真っ黒に焼けた家族の遺体と対面する。太平洋戦争末期の1945年6月20日、約2千人が犠牲になった静岡大空…