打撃練習をする関東第一の豊泉陽(はる)(3年)=2024年8月22日午前9時14分、兵庫県西宮市、中村英一郎撮影

 第106回全国高校野球選手権大会に出場している東東京代表の関東第一は23日、午前10時開始予定の決勝で京都国際(京都)と戦う。両校とも初めての決勝。選手たちは22日、兵庫県西宮市の球場で練習し、決戦に備えた。

 午前9時ごろ、選手たちは球場に着くとボールや道具を運び、各自で練習を始めた。この日はほとんどの時間を、京都国際の投手陣を意識した打撃練習に割いた。米沢貴光監督が、選手の打撃フォームを見て声をかける場面もあった。

 米沢監督は京都国際について「すごく粘り強く、力としては(関東第一より)上位のチーム。挑戦者という気持ちで行きたい」。理想の試合展開について「投手中心に守備で我慢して、何とか終盤を1点差勝負に持ち込む」と話した。

 学校史上最高成績だった4強の歴史を塗り替えてつかんだ決勝の舞台に、高橋徹平主将(3年)は「まだ経験したことがない場所なので、まずは楽しんでやりたい」。京都国際の印象は「投手、守備、打撃、三拍子そろったチームだと思う。持ち味の守備からリズムを作って、打者陣が投手陣をカバーしたい」と話した。

 準々決勝の東海大相模戦では本塁打を放ったが、自らの打撃の調子については、「ピークを甲子園に持ってこられなかった」と振り返る。「とにかく芯に当てて、低い打球を打つ。欲もプライドも捨てて、チームが勝つバッティングをしたい」と意気込んだ。

 この日は、米沢監督が関東第一の野球部員だった頃の監督、小倉全由さん(日大三の前監督)も激励に駆けつけた。小倉さんは米沢監督に、自身が日大三を率いて全国優勝した際の話などをしたという。小倉さんは関東第一について「ただ打つだけじゃなく、足を絡めて、守備もしっかりし、基本が徹底されている。1点差のゲームに持ち込むことに、選手たちも自信を持っている」と評価した。(佐野楓、中村英一郎)

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