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台風10号の接近に備え、早めに梨の収穫をする道の駅神戸フルーツ・フラワーパーク大沢の従業員ら=8月27日、神戸市北区、宮坂奈津撮影
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 非常に強い台風10号は今後、日本列島をゆっくりと縦断し、大きな被害をもたらす可能性がある。気象学を専門とする三重大学の立花義裕教授は、近年のある変化が、台風の被害や進路に影響を及ぼすと指摘している。

――台風10号はいったん西へ大きく向きを変えました。当初の進路予想とはかなり異なります。

 「猛暑の年は、台風の予測はとても難しくなります。風が弱いからです。強い風は偏西風と一緒に吹きますが、猛暑の年は偏西風が北にいくので、風が弱い。そうすると、ちょっとした風で台風は流されますので、予測は難しくなります」

――台風10号では今後の予測は難しそうですか。

 「難しいです。もともと西に行った理由は『寒冷渦』という寒冷な低気圧が台風の西にあって、その渦巻きに引っ張られて西に流されました。本来はもっと早く東にいくはずでしたが、ゆっくり西にいきました」

 「西から東に吹いている偏西風に近づけば、東方向に向きを変えます。ただ、偏西風はいつも同じ場所にいるわけではありません。偏西風の位置が変わってくれば、偏西風に乗りにくくなってさらにどのように進むかわかりにくくなります」

――偏西風次第ということですか。

 「台風自体の進み方が遅れれば東にいくタイミングを逸してしまうので、さらに遅くなる可能性があります。台風情報は刻一刻とかわるので、皆さんに注意していただきたいのは、最新の情報を確認してもらいたいということです」

 「(今回の台風10号のような)予期せぬ方向に動いたり、急に向きが変わったりする台風は、今後増えると思っています。そしてもう一つ注意しないといけないのは、『台風が衰えないまま日本列島にやってくる確率が高まっている』という点です」

――それはなぜなんですか。

 「ポイントとなるのは、昔に…

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