10月2日は芋煮会の日――。山形を代表する郷土料理の一つ、芋煮をみんなで味わう記念日が決まった。「芋煮会発祥の地」とされる山形県中山町が日本記念日協会に申請。9日に正式登録され、町役場で登録証授与式があった。
中山町は山形県のほぼ中央部にあり、北部に最上川が流れる。江戸時代に舟運で栄え、船頭や商人たちが荷揚げなどの間、里芋や棒ダラなどを煮て食べたのが芋煮の始まりとされている。
佐藤俊晴町長によると、中山町は県内で最も面積が小さい町といい、以前から「通りすぎる町」「なにもない町」と言われ、悔しい思いを抱いていたという。
町をPRする機会はないかと考えていたときに、「芋煮会発祥の地」である点に着目。今年10月1日に町誕生70周年を迎えるのを機に、県内外にアピールしようと記念日制定を思いついた。102を「い・も・に」と読み、10月2日になった。
授与式では「鍋を囲んで語らう芋煮会文化を広めたい」と語った。
町では芋煮会文化を継承するため、「未来の芋煮レシピコンテスト」を新たに始める。里芋を使うことを条件に、オリジナルのレシピを8月30日まで募集。一次審査を通過した3作品は、10月13日に町内である元祖芋煮会のイベントで来場者から投票を募り、最優秀作品を決めるという。
「里芋と棒ダラを使った当初の『芋棒煮』が進化し、現在親しまれている里芋と牛肉の『山形芋煮』になった。今後、どんな味に進化し、新しい食文化が出てくるのか楽しみ」と町長。
さらに中山町は、島根県津和野町の芋煮と愛媛県大洲市のいもたきと合わせ、「日本三大芋煮」とPR。「10月2日は全国で芋煮会をする日、にまで育てられたらおもしろい」と夢を語った。(安斎耕一)