(28日、第107回全国高校野球選手権愛知大会1回戦 高蔵寺10―3知立=7回コールド)
「2人の継投で抑えて勝つ」。そう約束した試合だった。劣勢の展開で救援した知立のエース、河原崎昇太郎投手(3年)は懸命に打者に立ち向かった。
この日先発の石原颯瑠久(はるく)投手(3年)とは、小学生からのチームメートだ。この1年は2人の継投で戦い抜いてきた。1人が投げている時はもう1人が遊撃の守備につき、互いのピンチではいつでもマウンドに上がれる準備を整えてきた。
石原投手は立ち上がりから制球が乱れ、二回までに5失点。想定より早く、河原崎投手に出番が回ってきた。「ごめん」。石原投手の言葉に力強くうなずき、いつも通りバトンを受け取った。
「石原の悔しさはわかるので、自分がなんとかしたかった」。代わった三回は直球で強気に押し、無失点に抑えた。しかし、続く四回に4点を奪われ、勢いに乗った相手打線を、最後まで止められなかった。
約束を果たせず、最後の夏は終わった。それでも、これまでの日々への充実感は残る。「頑張ってきたことに、後悔はないです」