イスラエルとパレスチナが独立した主権国家として共存することをめざす「2国家解決」についての国際会議が28日、米ニューヨークの国連本部で始まった。24日にパレスチナを国家承認する方針を示したフランスと、サウジアラビアが主導した。ただ、米国は会議自体を「拒否する」との声明を出し、イスラエルとともに反発している。
米国務省は28日の声明で、フランスによるパレスチナ承認がイスラム組織ハマスを利する判断だと批判した。会議についても「非生産的でタイミングも悪い」「売名行為」と激しく非難した。
フランスには、パレスチナ自治区ガザでの人道危機も背景にイスラエルを牽制(けんせい)し、停戦への機運を高めることで存在感を示したい思惑がある。一方でフランスのバロ外相によると、6月にパレスチナ自治政府のアッバス議長がフランスとサウジアラビアに書簡を送り、ハマスによる奇襲攻撃を明確に非難し、パレスチナ社会の安定をめざす改革を約束したという。このことがフランスなどの一連の外交努力を後押しした。
バロ外相は議場での演説で…