AKB48の(左から)倉野尾成美さん、村山彩希さん、山内瑞葵さん=2024年11月27日、小松隆次郎撮影

 アイドルグループAKB48は、昭和、平成、令和の各時代のアイドル楽曲を集めたカバーアルバム「なんてったってAKB48」を12月25日にリリースする。2005年の結成以来、初の試みだ。中心メンバーとして活躍する村山彩希さん(27)、倉野尾成美さん(24)、山内瑞葵さん(23)の3人に思いを聞いた。

小泉今日子さんらアイドルたちの名曲をカバー

 「そういう手があったのか」。村山さんはカバーアルバムのリリースを聞いたとき、率直に驚いたという。

 これまでも、ファン投票で選抜メンバーを決める「選抜総選挙」をはじめアイドルの新機軸をつくってきたAKB48。倉野尾さんも「新しいことがまだあったな」と受け止めたという。

 山内さんは「どんなことにも恐れず、挑戦している姿がAKB48の魅力。また一つ挑戦できることがうれしい」と喜ぶ。

 アルバムに収録されるのは、「年下の男の子」(1975年、キャンディーズ)や「UFO」(1977年、ピンク・レディー)などといった昭和の楽曲から、平成の「LOVEマシーン」(1999年、モーニング娘。)や令和の「可愛くてごめん」(2022年、HoneyWorks)まで計14曲だ。

 村山さんはリード曲「なんてったってアイドル」(1985年、小泉今日子)で初のセンターを務め、「DESIRE-情熱-」(1986年、中森明菜)をソロで歌う。「レコーディング前、動画を検索して勉強し、カラオケとお風呂の中で練習した。つくりあげられた世界観や今とは違うスタイルに魅了されて、成長させてもらえる機会になった」と振り返る。

 「本家(オリジナル)に寄せるべきか、自分を出すべきか」。そう悩んだと明かすのは、「時をかける少女」(1983年、原田知世)を歌う倉野尾さん。「レコーディングでは両方で歌ってみた。最後はオリジナルに近づけたけど、6人で歌ったことでオリジナルとの違いを出せたと思う」と話す。

 「Body&Soul」(1996年、SPEED)を歌う山内さんは「SPEEDさんのパワフルさが印象的なので、自分の持っている最大限のパワーを出せるように気持ちを高めてレコーディングに臨んだ」という。

8日に新劇場オープン&新公演「ここからだ」スタート

 アルバムリリースに先立ち、AKB48劇場オープン19周年となる12月8日には、工事で約3カ月閉館していた劇場がリニューアルオープンし、約9年ぶりとなる秋元康氏書き下ろしのオリジナル新公演「ここからだ」が初日を迎える。

 「20周年イヤー」のスタートに向けて、3人はファン層の拡大に期待を寄せる。4代目総監督を務める倉野尾さんは「再出発するAKB48をたくさんの人に知ってもらいたい。代表曲を生み出せる1年にしたい」と意気込みを語った。

アルバムの注目ポイントや「20周年イヤー」への意気込み語る

 村山彩希さん、倉野尾成美さん、山内瑞葵さんへのインタビュー詳細は次の通り。

――AKB48としては初のカバーアルバムに。

村山 最初は「そういう手があったのか」という感じで驚いたんですけど、自分がまだ生まれていなかったときの曲も歌うんだろうなと思って、すぐにお母さんに相談しました。「カバーなんだって。誰がどの曲を歌うと思う?」という会話で盛り上がりました。実際、曲の割り振り、メンバーが発表されたときも、ちょうど出張公演でみんな一緒にご飯を食べているときだったので、みんなで盛り上がりましたね。

倉野尾 私も、「新しいことがまだあったな」と。カバーする曲の力がとても強いので、幅広い世代の方に手に取っていただけたり、聴いていただけたりする機会になるのかなと思います。AKB48のファン層が広がるかもしれないという期待を持っています。

山内 今までカバーをしてこなかったからこそ、今のAKB48で挑戦する価値があるのかなと思っています。「根も葉もRumor」(2021年)のときもロックダンスに挑戦しているし、どんなことにも恐れず挑戦している姿がAKB48の魅力だと思うので、また一つ新しい挑戦をできるうれしさと、幅広いみなさんにAKB48を見ていただけるきっかけになるんじゃないかとワクワクする気持ちでいっぱいです。

初選抜の同期2人、8年越しの努力実った

――村山さんは、アルバムのリード曲「なんてったってアイドル」(1985年、小泉今日子)で初めてのセンター。

村山 今回はカバーアルバムな…

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