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パナソニックホールディングス本社=大阪府門真市

 パナソニックホールディングス(HD)が、テレビなどの不採算事業について、売却などによる撤退や縮小を検討していることが分かった。楠見雄規社長が4日、オンラインで開いた経営説明会で明らかにした。

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 楠見氏は説明会で、テレビやキッチン家電など四つの事業について、収益が少なく、成長も見通せていないと指摘。2026年度末までに「事業あるいは商品・地域からの撤退や、ベストオーナーへの事業承継を含む抜本的な対策を講じる」と述べた。

 このほか、経営改善のため、25年度中に早期退職の募集を進めることも明らかにした。

 同社がこの日出した25年3月期の業績予想は、売上高が前期比2%減の8兆3千億円。営業利益は同5%増の3800億円、純利益は30%減の3100億円だった。

 同社がテレビを発売したのは、前身の松下電器産業時代の1952年。ブラウン管の白黒テレビだった。60年にはカラーテレビも売り出し、日本でのテレビの普及期を支えた。

 地上デジタル放送が始まった2003年には、プラズマや液晶の画面を搭載した薄型テレビ「ビエラ」を発売。特にプラズマに将来性があるとみて、パネル工場などに大型の投資を重ねた。

 だが、結果的に液晶との競争に敗れ、路線変更を迫られた。14年にプラズマ事業を終了。その後も中国などの海外メーカーとの競争が厳しく、苦境が続いていた。

 国内の電機大手では近年、テレビ事業からの撤退が相次ぐ。東芝は18年に事業を中国メーカーに売却。三菱電機は21年に量販店向けの出荷を終え、事実上撤退した。現時点ではパナソニックの他、シャープ、ソニーグループの3社が自社生産や販売を続けている。

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