Smiley face
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「3歳の壁」を訴え、子育て中の配転の無効を求めて闘った豊田智子さん=2025年6月25日午後4時16分、京都市、森下香枝撮影

 子どもを保育園に通わせながら働き続けたい――。

 そう願い、10年前に会社と裁判で争った会社員の豊田智子さん(47)は、穏やかな笑みをたたえて当時を振り返る。

 「つらい思いをしましたが、少しでも社会が変わってよかったです」

 大学卒業後、関西の大手私鉄のグループ会社に入社した豊田さん。会社の同僚と結婚し、2人の子どもを出産した。産休・育休を経て職場復帰したのは2012年5月。時短勤務制度を使い、大阪市内の本社管理部門で働いていた。

 ところが、2人目が3歳になった14年10月、状況が一変した。

 会社は豊田さんの時短勤務を終了させ、本社から大阪府内の駅改札業務への配転を命じたのだ。

育休後に職場復帰し、子どもが3歳になると会社の時短勤務制度などがなくなる「3歳の壁」といわれる問題があります。この壁に直面し、主に女性が会社を辞めざるを得ないような状況を変えようと、豊田さんが行動を起こしますが……。

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