石飛健一さん。1月まで開かれた企画展では来館者を迎える砂像の制作を担当した=2024年12月13日午後0時24分、鳥取市、富田祥広撮影

 砂の彫刻作品を展示する「鳥取砂丘 砂の美術館」(鳥取市)。見上げるほど大きな建造物、動き出しそうな人物……。水だけで固めた砂像の迫力と繊細な造形美が、来場者のため息を誘う。

 「世界各地からここに集まる作家たちが、砂像を制作しやすい環境づくりを心がけています」。運営スタッフの石飛健一さん(56)はそう話す。

 裏方の仕事がメインだが、時に自らも砂の塊を彫り刻む。来館者を迎える砂像を作ったり、外部の催しに出向いたり。これまで鳥取空港や京都・嵐山、大阪・天王寺公園などで作品を手がけた。

 鳥取市生まれ。幼い頃から何かをつくるのが好きだった。地元の工業高校を卒業後、電気機器メーカーに就職。だが、合わずに5年で辞めた。20~30代は新聞配達、飲食店のアルバイト、工場勤務、配送ドライバーなどを転々。「なかなか、うまくいきませんでした」

略歴

 1968年生まれ。仕事が休みの日は、昨年購入した中古の150ccバイクでツーリングやソロキャンプを楽しむ。「体が動くうちにやりたいことをやりたくて。妻も快諾してくれました」。料理も好き。「夕飯は、ほぼ毎日つくります」

 無職だった40歳の時、鳥取…

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