米子―香港便の利用状況をまとめた鳥取県の資料=鳥取市、富田祥広撮影

 米子空港(鳥取県境港市)と香港を結ぶ国際定期便の5月の搭乗者数は2097人(うち外国人1991人)、搭乗率は43.3%となり、4月の2837人(同2742人)、58.7%に比べて大きく落ち込んだ。運航会社が県に提供した利用実績が公表された。

 県は「7月に日本で大災害が起きる」との流言が香港で広まった影響とみている。平井伸治知事は「減便は避けがたい状況」と話し、県は運航会社と協議している。

 米子―香港の定期便は、新型コロナ禍の影響で2020年2月から運休。昨年10月にグレーターベイ航空(香港)が定期便を就航し、約5年ぶりに路線が再開した。

 現在は週3便が運航され、県によると搭乗率は毎月6割程度で推移。4月の香港のイースター休暇(4月18~21日)の期間は、搭乗率が約85%に達していた。

 県などによると、流言は日本の漫画がきっかけで、香港で風水師らが取り上げてSNSなどで広まったという。グレーターベイ航空は5月に香港―仙台の定期便を週4便から2便に、香港―徳島の定期便も週3便から2便に減らしている。

 平井知事は「旅の動機が失われている。懸念が解消されれば『また、ぜひ』ということになると思うので、真摯(しんし)に協議をしたい」と話している。

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