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セイコーゴールデングランプリ男子100メートルで優勝し、ガッツポーズする柳田大輝=2025年5月18日、国立競技場、藤原伸雄撮影
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 男子100メートルは人類最速を決める陸上の華と言われる。日本選手が世界の猛者たちに勝つために必要なものとは。9月13日開幕の世界選手権東京大会まで100日。

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 誰よりも直線を速く走る。その先に、地元の大歓声が待っている――。

 柳田大輝(ひろき)(21)=東洋大=は、世界選手権の男子100メートル決勝に立つイメージをずっと描いてきた。

 今季の最大の目標は世界選手権。「右肩上がり」の走りをしている。5月は関東学生対校選手権、セイコーゴールデングランプリ(GGP)、アジア選手権(韓国)のすべてで優勝。参加標準記録(10秒00)に届いていないものの、しっかりと「勝ち癖」をつけられている。

 中でも、セイコーGGPでは大きな収穫を得られた。有力選手たちを抑えて10秒06で1着。調整段階とはいえ、2019年世界選手権王者で自己最高9秒76のクリスチャン・コールマン(米)よりも、うまく飛び出して競り勝った。

 「完璧ではないけど、理想の勝ち方はできた。スタートに定評があるコールマンに勝てた。もっと磨いたら互角に勝負をしていけると思えるきっかけをもらった」。レース後、スタンドに向かって何度も拳を突き上げた姿は、手応えの大きさを感じさせる。

 次の山場は7月の日本選手権。代表権を勝ち取るには「1段階も2段階も上げていかないといけない」と話す。

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 冷静な受け答えは、修正点が…

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