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ビエンチャンで26日、ロシアASEAN外相会議の冒頭、登壇したロシアのラブロフ外相(中央)とASEAN各国の外相ら=ワユパク・マノノム撮影
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 東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で、中国やロシアなどが加わる新興国グループ「BRICS」に参加を希望する国が相次いでいる。今秋ロシアで開かれる拡大BRICSの首脳会議に向け、ASEANが新規加盟の「供給源」となる様相だ。

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 ラオスの首都ビエンチャンで開催中のASEAN外相会議は2日目の26日、ASEANと関係各国がそれぞれ個別の外相会議を開いた。

 ロシアとASEANの外相会議では、出席者によると、ロシアのラブロフ外相が「BRICSの枠内でASEANがグループとしてロシアと協力する」ことを提案したという。

 ロシアの外交官は取材に「ASEAN諸国の加盟は歓迎だ。それによりBRICSはますます強くなる」と語った。

 ラブロフ氏と中国の外交部門トップを務める王毅・共産党政治局員兼外相は25日夜に会談。中国外務省の発表によると、双方はBRICSや上海協力機構(SCO)などの多国間枠組みで協力を強化するとしたほか、ラオスも交えた3カ国の外相会談では、中ロは「ラオスのBRICS関与を支持する」とした。

 BRICSに対しては、タイ政府がすでに6月、加盟申請をしている。ロシアで開かれた「BRICS・途上国対話」にマーリット外相が出席し、「世界が多極化へと根本的に変化する中、BRICSは新興途上国の利益を高める」と持ち上げた。

 マーリット氏は中国とインドも訪れ、加盟に向けて支援を要請。タイの外交官は「BRICS加盟は中国接近ではなく、南米や中東、アフリカにも経済協力の枠組みを広げ、多角化するためだ」と説明する。

 マレーシアも国営ベルナマ通信が6月、加盟に向けて近く手続きを開始すると報じた。同国は経済成長が停滞し、長期間にわたって中所得国にとどまってきた。アジア経済研究所の谷口友季子研究員は「飛躍的な成長には、中国との関係が欠かせないと考えたのだろう」とみる。

 ASEANではほかに、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベトナムもBRICS加盟の意欲があると報じられている。ASEAN10カ国では半数を超えている。

中立的だったからこそ存在感

 域内国の外交官は「グローバ…

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