「朝市」が立ち並ぶなか、サポーターとハイタッチするチェントクオーレハリマの選手ら=2025年4月12日午後、兵庫県加古川市の日岡山公園グラウンド、岡田健撮影

 サッカークラブの「チェントクオーレハリマ(CCH)」。国内トップのJリーグ1部(J1)から数えて5番目のカテゴリーにあたる関西リーグ1部のチームだ。その運営権を、兵庫県加古川市の防犯・園芸用品メーカー「ムサシ」が取得した。一見、接点がなさそうな会社がどうしてなのか。

 今季リーグ開幕戦が4月12日、CCHのホーム、加古川市の日岡山公園グラウンドであった。

 グラウンド東側にはカレーやケバブなど飲食、そして雑貨を販売する「朝市」と銘打った露店が立ち並んだ。フェンス越し、そしてピッチサイドにも長椅子が並べられ観客が見守った。観客数1千人は同日開催されたリーグ戦4試合では最多だった。ムサシがチーム運営権を取得して初の試合は2―0でFC.AWJに勝利し、幸先いいスタートを切った。

 ムサシがCCHのスポンサーになったのは2022年から。ムサシの岡本篤社長(50)によると、知り合いに頼まれたというのもあったが、「前身のクラブが内部の問題でうまくいかなくなっても、現場は一生懸命やっていた」。

 同社が日岡山公園などで週末に取り組む「朝市」を試合会場で開くなど協力関係を強めると、観戦者も増えていった。23年からはメインスポンサーになりユニホームの胸部分に社名を入れた。

「社会変革の有力な手段になる」

 今季からチーム運営権を取得…

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