「KOTOWA鎌倉鶴ケ岡会館」の井上志織さん(右)と青木優さん=2024年3月7日、神奈川県鎌倉市、小林直子撮影
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 コロナ下で中止や延期、アルコールの提供制限などを余儀なくされた結婚式や披露宴。実施の割合は以前と同水準まで回復する一方、ブライダルの現場には変化が見られるという。

 今年2月、30代の新郎新婦が神奈川県鎌倉市の結婚式場「KOTOWA鎌倉鶴ケ岡会館」で披露宴を開いた。

 運ばれてきたウェディングケーキは未完成。参列した2人の家族らが手袋をつけ、イチゴなどのフルーツをのせていった。こうしてデコレーションした世界で一つのケーキに新郎新婦が入刀した。

 この演出を提案したのは担当ウェディングプロデューサーの青木優さん(29)。地方出身の2人から「親族が集まるのは最初で最後になるかもしれない」と言われたからだ。「コロナ下では家族にもなかなか会えなかった。結婚式や披露宴を共通の思い出づくりの場にしたいと思い、一つのものをみんなで作り上げる演出を考えた」

 今年担当したほかのカップルにも様々な演出を提案してきた。

 コーヒー好きの新郎が参列者全員に豆からひいたコーヒーをハンドドリップしたり、参列者全員でカードゲームをしてカードに書かれた「お題」に答えることで、お互いの家族を知ったり……。

「少人数」を希望する背景は

 どの披露宴も参列者は10人…

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