公開された自民党総裁選のポスター=自民党提供

 自民党は21日、9月の総裁選のポスターを公開した。黒を基調に、赤字で「THE MATCH」と銘打ち、歴代総裁の写真をあしらった。併せてインターネット動画も公開した。裏金事件で政治不信を招いたにもかかわらず、「お祭り騒ぎ」のような演出で注目を集めようとする手法に、世論の共感は得られるか。

 ポスターでは中央に安倍晋三元首相の写真を据え、田中角栄、小泉純一郎両元首相を大きめに配置した。党によると、所蔵する7万枚の歴代総裁の写真をもとに作成した。都道府県連などに配布するという。

 平井卓也広報本部長は同日の記者会見で、「自民党が日本の政治を牽引(けんいん)してきた歴史と実績、(総裁選が)日本のリーダーを選択する選挙だという重責感を示した」と説明。「派閥がなくなり、手加減なし、忖度(そんたく)なし、筋書きなしの総裁選になる。国民の信頼を高められるような政策論争をしてほしい」とも語った。

 しかし、ポスターからは裏金事件と向きあおうとする姿勢はうかがえない。ある若手衆院議員は「落ち着いて政策を議論する雰囲気を出すべきだった」と漏らす。(佐藤瑞季)

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