日本銀行は1日の金融政策決定会合で、追加利上げを見送り、現状の政策金利(0.5%)を続けることにしました。物価高は3年間も続いていますが、日銀はまだ物価目標を達成していないとしています。どういうことなのでしょうか。日銀が進めている利上げの影響も含めて解説します。

  • 日銀、追加利上げ見送り トランプ関税で経済・物価見通しも下方修正
日本銀行本店=東京都中央区

 Q 日本銀行がめざす物価目標とは何なのか。

 A 日銀は2013年1月、政府との共同声明で、安定的な物価上昇率として2%という目標を決めた。物価が下がり続けるデフレから抜け出すためだ。同年4月に「異次元」の金融緩和を始め、国債の大量買い入れや金利を低く抑える政策を進めた。24年3月に異次元緩和を転換し、17年ぶりの利上げに動いた。

 Q 目標を達成したのか。

 A そうとは言えない。日銀は、物価目標の実現を見通せる状況にはなったが、達成はしていないとの立場だ。1日の金融政策決定会合では、実現の時期を25~27年度の期間の「後半」とした。

 Q こんなに物価が高いのに達成していないのか。

 A 物価上昇率(変動の大き…

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