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メロンパンやクロワッサン、食パン

 さまざまな物の値段が上がっています。なぜ物価は上がっているのでしょうか。落ち着くめどは立っているのでしょうか。いちから解説します。

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 Q 物価が上がっているって?

 A 総務省統計局が出している小売物価統計調査では、今年5月時点の食パンの価格は前年同月に比べて4・2%、値上がりした。ハムは6・0%、しょうゆは6・8%、ウイスキーは22・0%と価格が上がっている。

 家庭が購入する商品やサービスの価格変動を表した消費者物価指数(生鮮食品をのぞいた総合指数)は2023年度平均で前年度より2・8%上昇するなど、高い水準となっている。

 Q なぜ価格が上がっている?

 A 商品の価格には通常、原材料の仕入れなどにかかった費用に加えて売り手の利益が含まれる。仕入れ費用が大きくなれば、同じ利益を出すためには商品の価格を上げざるを得ない。

 Q なぜ仕入れ費用が大きくなっている?

 A 様々な原因が絡んでいるが、2年前のロシアによるウクライナ侵攻はその一つ。両国とも小麦やトウモロコシなどの主要な輸出国だったため、世界の食料価格が上昇し、食料自給率の低い日本を直撃した。エネルギー価格の高騰も資源の乏しい日本への影響が大きかった。

 Q 円安の影響は?

 A 記録的な円安も大きな要因だ。円の価値が相対的に下がるから、海外からモノを買うときには今までより多くの円が必要になる。

 背景には日本と米国の金利差がある。米国では物価高を抑えようと金利の高止まりが続く一方、日本は長く「異次元」の金融緩和策が取られたため、金利が米国より低い。一般的に金利の高い国で資産を運用した方が有利なため、円を売ってドルを買う動きが起き、円安ドル高になった。

 Q 賃金が上がれば、物価が上がっても困らないのでは?

 A 厳しい人手不足や賃上げ機運の高まりもあって、労働者が実際に受け取る「名目賃金」は増加傾向にある。今年の春闘も賃上げ率が5%を超えて33年ぶりの高水準となっている。

 ただ、物価の伸びが上回っているのが現状だ。生活実感に近い「実質賃金」は、今年3月分が前年同月より2・5%減り、24カ月連続のマイナスになった。今年秋ごろとの見方が多いプラスへの転換は遅れる可能性も指摘されている。(中野浩至)

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