ロシアのプーチン政権が最重要の祝日とみなすのが5月9日の対独戦勝記念日です。特に今年は80年の節目の年で、ナチス・ドイツへの勝利を、ウクライナ侵攻(しんこう)の正当化に利用する考えです。ロシアでは2022年2月に全面侵攻が始まった後、反政権派への弾圧(だんあつ)や、部分的動員から大勢の人が国外に逃(のが)れ、社会が大きく揺らぎました。戦勝記念日に合わせ、ロシア社会の現状を解説します。
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Q ウクライナ侵攻(しんこう)の開始後、数十万人が国外に逃れるなど、ロシア社会は大きく揺(ゆ)れた。現状はどうか。
A 表面上はウクライナ侵攻の勝利を目指して国内の結束を強めている。プーチン大統領は国民の大多数が侵攻を支持していると主張。侵攻で戦う兵士を愛国者と称賛(しょうさん)し、政権幹部への登用も進めている。多くの人が早期の戦争終結を望んでいるが、それが反戦には直結しない。
Q 国内に反戦の声はないのか。
A 反政権派の活動家や記者…