ロシアの侵攻を受けるウクライナが、国内問題で揺れています。争点となっているのは、ウクライナで長らく課題となってきた汚職対策です。最高会議(国会)やゼレンスキー大統領らに対する不満が一気に噴き出し、内政は2022年2月の全面侵攻開始以来の混乱に陥っています。何が起きているのか、解説します。
Q ウクライナの汚職はどれぐらいひどいのか。
A ウクライナでは1991年の独立以降、国有企業の民営化などに乗じて大金と権力を得た大富豪「オリガルヒ」と政界との癒着が問題になっていた。国際NGO「トランスペアレンシー(透明性)・インターナショナル」が毎年発表している「腐敗認識指数」(CPI)によると、ウクライナは昨年、180カ国・地域のうち105位だった。
報告書では「ロシアの侵攻にもかかわらず、司法の独立、高官の汚職の訴追において大きな進展を見せた」と評されている。親ロシア政権の崩壊につながった「マイダン革命」の前年、2013年は177カ国・地域中144位だったので、11年間でそれなりの改善があったとみることができる。
Q それはなぜ?
A マイダン革命の翌年、1…