バングラデシュ暫定政権のトップで、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏(84)が今月、来日した。日本との関わりでも知られるユヌス氏はどのような人物なのか。
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Q ユヌス氏はどんな人?
A バングラデシュ・チッタゴン出身の経済学者だ。1960年代に米国に留学し、米国の大学でも教えた。バングラデシュ独立翌年の72年に帰国し、チッタゴン大学の経済学部長に。だが当時の飢饉(ききん)に衝撃を受け、貧困撲滅に取り組んだ。そこで始めたのが「マイクロクレジット」だ。
これは貧困層に少額の資金を無担保で貸し出す融資制度のこと。困窮する人々は1ドル未満の資金にも困る生活なのに、高利貸から借りざるを得なかった。そこでユヌス氏は村人同士が連帯責任をとることで融資が受けられる仕組みを考案。商売を通じて人々が自立するきっかけを与えた。ユヌス氏は「貧者の銀行家」とも呼ばれた。
Q ノーベル平和賞を受賞したの?
A 2006年、ユヌス氏自…