レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが25日、隣接するイスラエルに対し、ドローン(無人機)やロケット弾で大規模攻撃をしかけました。イスラエル側もヒズボラの標的を空爆し、緊張が高まっています。イランが支援する中東各地のネットワーク「抵抗の枢軸」の代表格として知られるヒズボラですが、イスラエル、イランとの関わり、そしてその実力は、どのようなものなのでしょうか。
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今回の攻撃の引き金となったのは、7月30日にイスラエル軍がレバノンの首都ベイルート南部を空爆し、ヒズボラ幹部のシュクル司令官を殺害したことだ。ヒズボラの指導者ナスララ師は8月6日のテレビ演説で、「シュクルの暗殺後、ヒズボラは報復する義務を負った」と話していた。
また、ナスララ師は、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦うイスラム組織ハマスの最高幹部だったハニヤ政治局長が7月31日にイランの首都テヘランで殺害されたことにも触れ、「イスラエルはルールもレッドライン(越えてはいけない一線)もなく戦っている。イスラエルに立ち向かい、その勝利を阻止することは道徳的、宗教的な義務である」と決意を語っていた。
1992年からヒズボラの指導者になったナスララ師だが、暗殺を警戒して人前で演説することはない。前任者はイスラエル軍に暗殺された。
ヒズボラは、長らくイスラエルと対立し、軍事衝突を繰り返してきた。
■イスラエルのレバノン侵攻後…