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 ヘグセス米国防長官が31日、朝日新聞の書面インタビューに応じた。ヘグセス氏がシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」に出席するのにあわせ、回答した全文の日本語訳は以下の通り。

写真・図版
日米豪比防衛相会談で、あいさつするヘグセス米国防長官=2025年5月31日午後5時3分、シンガポール、長島一浩撮影
  • 【記事本文はこちら】米国防長官、中国を警戒 日本に防衛費増求める 書面インタビュー

 ――アジア安全保障会議では、トランプ政権下における米国のインド太平洋地域への関与についてどのようなメッセージを発信する考えですか。

 「我々のインド太平洋地域の同盟国や友好国へのメッセージは、米国は(この地域に)戻ってきて、ここにとどまり続ける、ということだ。トランプ大統領は私に、力による平和を実現するという明確な使命を与えた。国防総省は、インド太平洋地域におけるこの使命を支えるために日々、取り組んでいる。我々は戦士の精神を回復し、軍を再建し、中国に対する抑止力を取り戻すことに専念している。前方展開の態勢を強化し、同盟国と友好国の防衛能力の向上を支援し、防衛産業基盤を再建することによって、これを実現する。我々のアプローチは常識(コモンセンス)に根ざし、共通の利益に基づいて同盟国や友好国と協力して進めるものだ。米国は、インド太平洋における共通の利益に貢献するために踏みだそうとするあらゆる同盟国、友好国、友人と協力する用意があり、意思もある」

 「以前から述べてきたように、米国は戦争を望んでいない。同盟国や友好国とともに強力な抑止力の盾を確立することによって、戦争を防ぐために緊急に行動している。我々が優先するのは主権や通商に基づく関与であって、戦争ではない。しかし、間違えないでほしい。もし抑止が失敗した場合には、国防総省は最も得意とすること、すなわち戦い、勝利する用意がある。決定的にだ」

 ――インド太平洋において中国との軍事バランスが崩れつつある現状について、どれほど緊急性がある問題だと考えますか。米国は中国の軍備増強に対して、どのように抑止力を強化するつもりですか。

 「米国と日本が直面する脅威…

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