【解説人語】偏見にとらわれていた取材 大きく変化した認知症観
9月21日は「認知症の日」、そして9月は「認知症月間」です。
かつて認知症の人は、見えない存在のように扱われ、「痴呆(ちほう)」といった侮蔑的な表現で呼ばれていました。そうした根強い偏見を打ち破り、2024年に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」。前面に掲げるのは、認知症の人の尊厳と希望であり、認知症への関心と理解を深めようと定められたのが、「認知症の日」「認知症月間」でした。
65歳以上の高齢者のなかで、認知症とその前段階とされるMCI(軽度認知障害)の人は、あわせると約1千万人を超えると推計され、誰もが当事者となりうる時代となっています。30年近く認知症をテーマに取材をしてきた清川卓史編集委員が解説します。