トランプ米大統領は21日(日本時間22日)、イランの核施設3カ所を空爆したと明らかにしました。この日の世界の動きをタイムラインでお伝えします。
(タイムスタンプは日本時間と現地時間)
- なぜトランプ氏はイランを攻撃したか 後押しした「経験」と「失望」
- 米、B2爆撃機から超大型バンカーバスター投下か イラン核施設空爆
■■■6月22日(日本時間)の動き■■■
21:00(ワシントン08:00)
米国防長官「圧倒的な成功だった」
ヘグセス米国防長官と、米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長が22日、国防総省(ペンタゴン)で記者会見を開き、イランの核施設に対する米軍の攻撃について説明した。ヘグセス氏は「驚くべき、圧倒的な成功だった」と表現し、「核に関するイランの野望は完全に破壊された」と主張した。
ヘグセス氏はまた、作戦の狙いについて問われ、「体制転換が目的ではない。(トランプ)大統領は、イランの核プログラムによる我が国の国益への脅威を消し、我が軍と同盟相手のイスラエルの集団的自衛権のために精密な作戦を承認した」と述べた。
ケイン氏は作戦の結果について「最終的な検証には時間がかかるが、初期の被害分析によると、(攻撃をした)3カ所はいずれも極めて激しく破壊された」と話した。
20:03(北京19:03)
中国外務省、米軍の攻撃を「強く非難」
中国外務省は22日、米軍によるイランの核施設攻撃を「強く非難する」とした報道官声明を発表した。攻撃は「国連憲章の趣旨や原則、国際法に違反し、中東の緊張を悪化させる」と批判した。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は19日にロシアのプーチン大統領との電話協議で、米国を念頭に「情勢緩和のための努力をすべきであり、その逆であってはならない」と述べ、参戦に釘を刺していた。
中国にとって、イランは石油の安定調達など経済面だけでなく、対米関係をにらんだ戦略的観点からも重要な存在だ。
中国は3月に中ロとイラン3カ国の外務次官級協議を北京で開き、イランによる核の平和利用の権利を擁護していた。
20:00(テヘラン14:30)
イラン当局「核施設の被害は限定的、安心して生活を」
イラン国営メディアなどによると、イラン当局などは22日午後、今回の米国による核施設攻撃の被害は限定的だとの見方を示した。
政府報道官は、攻撃を受けた核施設周辺の住民に危険はなく、安心して生活を続けることができると発表。イラン赤新月社は「幸い死者はなく、11人が負傷した」としている。
イラン原子力庁報道官は同日、国営放送のインタビューに「(核施設は)部分的に損傷したが、こうした事態は今回が初めてではない。すぐに修理してきた」と答えた。国家原子力安全システムセンターの所長は「イランの核施設の安全性は非常に高く、対策が講じられている。外部の放射能汚染はなく、人々は安心して生活を続けることができる」と述べた。核施設の職員にも被害は出ていないとしている。
19:50(パリ12:50)
マクロン仏大統領がサウジ、オマーン首脳と電話会談
フランスのマクロン大統領は22日、サウジアラビアのムハンマド皇太子とオマーンのハイサム国王と相次いで電話会談し、イランに対する米国の攻撃で事態の悪化が懸念される中東情勢について協議した。フランス大統領府が明らかにした。
仏大統領府によると、マクロン氏は今後数時間にわたって、欧州諸国の首脳らとの協議に臨む。同日夜には大統領府に閣僚らを集め、緊急の国家安全保障会議を開催する。
19:30
ロシア外務省「主権国家の領土に攻撃、深刻な国際法違反」
米国の対イラン攻撃について、ロシア外務省は22日、声明を発表した。「核施設への空爆を断固として非難する」とし、「主権国家の領土に攻撃を加えるという無責任な決定は、いかなる理由をつけたとしても、国際法に対する深刻な違反だ」と強調している。
声明は攻撃について、「危険なエスカレーションの始まりが明らかになり、地域と世界規模での安全保障のさらなる崩壊を招く」と警鐘を鳴らした。米国とイスラエルに対しては「攻撃をやめ、政治的・外交的な道への復帰に向けた努力を強化するよう呼びかける」とした。
18:57(パリ11:57)
仏外相「関係国に強く自制を促す」
フランスのバロ外相は22日、「米国がイランの核関連施設に行った空爆について、深刻な懸念を持っている」とSNSの投稿で述べた。フランスは空爆やその計画に参加していないとし、「フランスがすべての関係国に対し、紛争の拡大につながる可能性のあるエスカレーションを避けるために、強く自制を促す」と語った。
バロ氏は、フランスはイランが核兵器を保有することに繰り返し反対の立場を示してきたとしながら、「この問題の持続的な解決は、『核不拡散条約』(NPT)の枠組み内で交渉することでのみ実現可能だ」と強調した。
18:41(ニューデリー10:55)
インド首相、イラン大統領と協議
インドのモディ首相は22日、イランのペゼシュキアン大統領と協議し、「緊張の高まりに深い懸念を表明した」とX(旧ツイッター)に投稿。「即時の緊張緩和や対話と外交、地域の平和や安定などの早期回復を求めた」と記した。
モディ政権は、イスラエルと安全保障面での協力関係を深めてきたが、イランとも関係を維持。軍事衝突の拡大後は双方と協議を実施するなど、中立的な姿勢も見せてきた。
中国とロシアが主導する上海協力機構(SCO)が14日にイスラエルのイラン攻撃を「強く非難する」などとする声明を発表した際には、「SCOの声明に関する議論に(インドは)参加しなかった」と発表していた。
イランで学ぶインド人学生らの隣国への避難も進めており、インド外務省のジャイスワル報道官は22日未明、1100人以上を避難させたと明かした。
18:40
NSC後に石破首相「早期の沈静化が重要」
米国によるイランの核施設攻撃を受け、石破茂首相は22日夕、首相官邸で記者団の取材に応じ、国家安全保障会議(NSC)を開いて中東情勢を協議したことを明らかにした。首相は「事実関係を引き続き確認中だ。重大な関心を持って状況の推移を注視している」と改めて述べ、米国の攻撃を支持するかどうか態度を明示しなかった。
NSCは約40分間、開かれた。首相は「中身の詳細は差し控える」とした。日本政府の対応を協議したとみられる。
首相はNSCの後、記者団に「事態を早期に沈静化することが何よりも重要。イランの核兵器保有は決して許されないという立場は、一貫している」との考えを改めて説明。在留邦人の退避については、「何があっても、邦人の退避がきちんと行われるように、政府として万全を尽くす」と語った。
18:30(イスタンブール12:30)
イラン外相「米国は重大な一線を越えた」
イランのアラグチ外相は22日、訪問先のトルコ・イスタンブールで記者会見した。米国のイラン核施設への攻撃に触れ、米国が「侵略の危険な結果と影響について全責任を負う」と強調。今後の対応について「(イランの)自衛権に基づいて行う」と述べ、米国を強く牽制(けんせい)した。
アラグチ氏は会見で、米国が核施設への攻撃で「非常に重大なレッドライン(一線)を越えた」と非難。この後ロシアに出発し、翌23日にプーチン大統領と会談することも明らかにした。プーチン氏に対し、対米国での緊密な連携を求める考えとみられる。
アラグチ氏は会見で、核施設への攻撃について「可能な限り最も強い言葉で侵略を非難する」と述べ、「国際法に対する明白で前例のない違反」だと訴えた。「(世界の)平和と安定に対する極めて敵対的な行為であり、事実上、弱肉強食の法則を助長している」とも述べた。
18:30
中東各国、一斉に懸念を表明
米軍の関連施設が点在する中東各国から22日、米国の攻撃による事態のエスカレーションを懸念する声が一斉に上がった。
中東の地域大国、サウジアラビア外務省は「さらなるエスカレーションを回避するためにあらゆる努力を行う必要がある」として、各国に取り組みを強化するよう求めた。
米国とイランの核協議の仲介役を務めたオマーン外務省は、米国の攻撃は「武力の行使と国家主権の侵害を明確に禁じる国際法および国連憲章に対する露骨な違反だ」と指摘した。オマーン国営通信が報じた。
イラク政府は「中東の平和と安全に対する重大な脅威であり、地域の安定に深刻なリスクをもたらす」と声明で警告した。カタールやトルコ、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートの各外務省も「多大なる懸念」を表明し、外交的手段による問題の解決を訴えた。
18:30
駐日イラン大使が会見「あらゆる選択肢を検討中」
ペイマン・セアダット駐日イラン大使は22日、東京で記者会見し、「イランは主権、利益、国民を守るため、無法な政権による侵略と犯罪に対して、全力を尽くして抵抗する」と述べた。
ホルムズ海峡の封鎖の可能性について問われると、「すべての選択肢は検討中だ。国の指導部と上層部が決定すれば、その決定が実行される」とした。さらに核不拡散条約(NPT)脱退の可能性についても否定しなかった。
外交交渉については「過去のプロセスで多くの欺瞞(ぎまん)的な要素があった。私たちは誠意を持って外交を続けてきたが、相手が外交を殺した。イスラエルとアメリカが攻撃を止める前に外交交渉はすべきではない」と述べた。
トランプ米大統領が「軍事行動をするかどうかを2週間以内に判断する」と表明していたことについては「彼は世界中をだました」と非難した。
17:55(ベルリン10:55)
独メルツ首相、イランに「ただちに交渉を」
米国のイランの核関連施設への攻撃を受け、ドイツ政府は22日朝、安全保障閣僚会議を開いた。ドイツ政府の発表によると、メルツ首相はイランについて、「ただちに米国とイスラエルとの交渉を開始し、紛争の外交的解決を図るべきだ」との見解を示した。
発表では、「米国の空爆でイランの核開発計画の大部分が損失を被った」とのドイツ政府の見方を示した。
17:50(モスクワ11:50)
トランプ氏のノーベル平和賞「ないだろう」
ロシア国家安全保障会議副議…