【将棋名人戦中継】藤井聡太名人ー永瀬拓矢九段 究極の対決をライブで【第83期将棋名人戦第4局1日目】(ライブ中継終了後は、ユーチューブ「囲碁将棋TV」のメンバー限定のアーカイブ動画になります)
藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局が17日から大分県宇佐市の宇佐神宮で行われる。
研究パートナーでもある両者のタイトル戦。藤井名人は3連覇を、永瀬九段は初挑戦での名人奪取を懸ける。開幕3連勝の名人は無敗での防衛を、後のない挑戦者は逆襲開始の1勝を目指す。
対局は藤井名人の先手で17日午前9時に始まり、午後6時半に封じ手時刻を迎える。立会人は谷川浩司十七世名人(63)、朝日新聞副立会人兼解説者は都成竜馬七段(35)、大盤解説は中田功八段(57)、聞き手は香川愛生女流四段(32)、記録係は崎原実地歩三段と榊大輝二段が務める。
2日間にわたって戦われる第4局の模様をタイムラインで徹底詳報する。
第4局は千日手に
藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局は17日、大分県宇佐市の宇佐神宮で指されたが、午後5時3分、61手までで同一局面が4度繰り返される千日手が成立した。1日目午後4時以降の千日手成立は、対局規定により当日ではなく2日目に先後を入れ替えて指し直す。通常、1日目の慣例である「封じ手」は行われない極めて珍しいケースとなった。
名人戦での千日手は2019年の第77期七番勝負第1局の佐藤天彦名人―豊島将之二冠(いずれも当時)以来6年ぶり。当時も1日目の規定時刻以降の成立で2日目に指し直した。
先手を永瀬九段、後手を藤井名人に入れ替え、18日午前9時からの指し直しとなる。成立後の取材に、名人は「誤算があり、千日手は先手番なので本意ではないですが、やむを得ない形にしてしまいました。新たな気持ちで頑張りたいと思います」と述べ、永瀬九段は「後手番は千日手を目指すのが自然。先後を入れ替えてもう一局ということで、限られた時間ですが(先手番の作戦を)考えたいと思います」と語った。
研究パートナーでもある両者のタイトル戦。藤井名人は3連覇を、初挑戦の永瀬九段は初の名人位を目指す。開幕3連勝の名人は一気の防衛を、挑戦者は反撃の1勝を狙う。
千日手局は角換わりに進み、第2局に続いて永瀬九段が△3三金型に構える将棋に。永瀬九段がわずか8分しか消費しない間に藤井名人は3時間以上を費やすなど、先手が対応に苦慮している印象の進行だった。
持ち時間9時間のうち、消費時間は藤井名人が4時間33分、永瀬九段は1時間51分。封じ手時刻の午後6時30分までの時間を両対局者で折半する規定のため、成立の午後5時3分からの残り1時間27分を43分ずつ差し引く。
指し直し局の持ち時間は、先手となる永瀬九段が6時間26分、後手となる藤井名人が3時間44分。
16:45
千日手模様に 立会人は別室へ
検討室がざわついている。局面が千日手模様になっているのだ。
途中図がその局面。ここから▲8六歩として△8八歩▲同金△8六飛▲8七金と進むと、同じ局面になる。持ち時間は約2時間半、藤井名人の方が消費している。後手の永瀬九段にとっては千日手は歓迎だろう。
立会人の谷川十七世名人は別室に移動した。「千日手成立に備えて、和服に着替えに行ったのかもしれない」と言われている。
と、記事を書き終わったタイミングで谷川十七世名人が和服姿で対局室に戻ってきた。立ったまま盤面を映すモニターを見つめている。
15:00
午後のおやつ
藤井名人の午後のおやつは「一手の余白バスクチーズケーキ」。滑らかなチーズケーキに、天日塩とレモンオイルが添えてある。塩でコクが深まり、オイルでさわやかさが増すという。
名前に込めた思いを聞くと「棋士の方は長い時間考えられる。一手を指す前の一瞬でもリラックスしていただければ」と、提供した「food&aroma SUNNY」の衛藤涼子さん。
永瀬九段のおやつは、午前中と同じ「いちごモンスター」に、「苺(いちご)みるくフラッペ」。永瀬九段はイチゴが大好きといい、イチゴ尽くしのスイーツだ。
両者とも、飲み物は「シトラスジンジャーYell」。大分県産のユズ、カボス、ジンジャーに5種のスパイスを加えたさわやかな味わいのジンジャーエールだ。こちらの名前にも、対局者への応援(エール)の思いが込められている。
14:35
師弟共演、思わぬエピソード
ユーチューブ「囲碁将棋TV」の解説に、谷川十七世名人と弟子の都成七段が出演。師弟でのダブル解説が実現した。
聞き手を務めた朝日新聞将棋担当デスクの村瀬信也記者から「都成七段がデビュー10年目を迎え、どのような棋士とみているのか」と問われた谷川十七世名人は「これをこの場で……本人が横にいるのはなかなか難しいものがありますけど」と苦笑い。都成七段は「耳をふさいでいたほうがいいですか」と笑顔を浮かべた。
谷川十七世名人は「棋士にな…