兵庫県の斎藤元彦知事が内部告発された問題で、側近だった片山安孝・前副知事が6日午前、告発内容の真偽を調べる県議会の調査特別委員会(百条委員会)に初めて出席した。告発した県の元西播磨県民局長(7月に死亡)を懲戒処分とした妥当性を検討するため、主な質疑が交わされる。午後は斎藤知事への尋問が行われる。
午前10時半、片山前副知事は濃い色のスーツに身を包み、緊張した表情で大会議室に入った。片山前副知事は「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず付け加えないことを誓います」と宣誓し、尋問が始まった。
元県民局長は3月、斎藤知事や片山前副知事らの七つの疑惑を文書に記し、匿名で一部の報道機関などに送った。
片山前副知事は、斎藤知事から調査の指示を受けて、同25日に元県民局長を事情聴取。回収した元県民局長の公用パソコンから文書のデータが見つかったことなどから、県は元県民局長を停職3カ月の懲戒処分とした。
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百条委での主なやりとりは次の通り。
内部告発文書 知事から「徹底的に調べてくれ」
――いつ文書を知ったか。
3月20日、知事から部屋に来るように言われた。
――協議は知事の招集だった。
そう思う。秘書課から呼ばれた。
――この日は告発文書が話題。
そうです。
――知事からみなさんに文書が渡された。
知事から初めて見せてもらった。
――知事からどのような内容の指示があったか。
こういうものを入手した。これについて急ぎ調べてくれ、という趣旨だった。その現物も見せてもらった。調べてくれと言うのはその段階ではいちいち確認しなかったが、誰が、どういう目的で出したかということだと思った。徹底的に調べてくれという指示があった。
――一任を受けたのか。
調べると言う行為はわたしがやれということだった。その通りだと思う。
――3月22日、職員のメール調査をしている。誰が指示したのか。
知事から文書をもらい、中身を検討した。県民局長の可能性がでてきて、調査することになった。複数の人と連絡を取り合っている可能性がある。とするとメールの可能性がある。公用メールしか調査できないので、調査する必要があると決めた。
――3月21日の段階で告発文を公益通報とする考えはあったか。
知事の所に入った段階ではそういう議論はしなかった。文書にパワハラが入っている、これは非常にやっかいなことになると思った。誰が言ったか覚えていないが、多分総務部長がパワハラは受け取り方の問題ですよね、と言った。それでも調査をという指示だったので、実行行為者、項目が多かったので複数でやっているのではないかということでメールが思いついた。
知事から付箋「投げられたのは事実。ただ…」
――知事から付箋(ふせん)…