九回表楽天2死二塁、小郷裕哉に逆転2点本塁打を浴びた阪神の岩崎優=有元愛美子撮影
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 (5日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス3―2阪神タイガース)

 球場に響く「あと1人」コールが、悲鳴に変わった。

 阪神が1点リードで迎えた九回だ。抑えの岩崎優がマウンドに上がる。

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 が、球が走らない。先頭の小深田大翔に安打を許し、なんとか2死二塁までこぎつけるも、1番小郷裕哉への5球目だった。内角速球は阪神ファンで埋まる右翼席へ消えた。

 チーム状態はどん底だ。

 打線が低迷し、5月19日のヤクルト戦で7得点したのを最後に、4得点以下が13試合続く。打率2割を切った大山悠輔がこの日、2軍に降格した。それも、しばらくは2軍戦に出場せず、体をつくり直すのが優先。復帰の見通しは立っていない。

 同じく中軸として昨季の日本一を支えた佐藤輝明、ノイジーも不振で2軍暮らしが続く。

 「ほんま、やりようがないわ」。岡田彰布監督も嘆くしかない状況だ。昨年実践したレギュラー固定の戦いはできていない。

 打順を組み替えても、機能しない。

 三回にプロ初の2番に入った前川右京の適時二塁打で先行するも、たたみかけられない。投手陣が踏ん張り、2―1の1点差で九回を迎えたが、同じような展開ばかりでは昨季最多セーブのタイトルを獲得した岩崎にかかる負担も大きかった。

 もう一人の抑え投手ゲラは前夜打たれ、2軍に落ちていた。

 ここ10試合は2勝8敗。交流戦は1勝6敗。監督のぼやきも止まらない。「だから2点じゃ足りんて(ベンチで)言うてたんや」。

 それでも勝ち越し1のリーグ3位にとどまっている。昨年の王者にとって、今は耐える時だ。(山口裕起)

 小郷(楽) 九回2死二塁から逆転2ラン。「まずは同点と思って振り抜いた。今日は後藤打撃コーチの44歳の誕生日。いいプレゼントになったと思う」

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