松山商―今治西 延長十一回裏、松山商の小林が最後の打者を三振に取って勝利を決め、喜ぶ=2025年7月24日午後2時41分、坊っちゃん、中川壮撮影

 (24日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会準々決勝 松山商5―1今治西=延長十一回タイブレーク)

 今治西の4投手継投と松山商の絶対エースとの対決は、松山商に軍配が上がった。延長タイブレークの十回裏に勝負どころがあった。

 今治西は申告敬遠で1死満塁とすると、すぐにスクイズを仕掛けた。松山商の小林甲明投手(3年)は「足を上げた時、ランナーが動いた」。とっさの判断で高めに大きく外した。捕手の河野匠真選手(3年)が跳び上がって捕球し、走者を生還させなかった。寮では同部屋同士のあうんの呼吸でサヨナラ勝ちを阻んだ。

 直後の十一回表。継投した相手投手から、河野選手が右前に運んで均衡を破った。大野康哉監督の指示「内側から腰を出して下半身で振りにいけ」を実行した一打だった。この回、一挙5点。逃げ切った。

 小林投手の投球数は、この日は145球。今大会ここまで3試合全てを1人で投げ切った。「たくさんバックが支えてくれた」

 五回1死一、二塁のピンチには、三塁手として交代出場したばかりの山之口陽大選手(2年)が、強いゴロを確実に捕球し、併殺で切り抜けた。「何としても3年生の役に立ちたかった」

 松山商の4強進出は4年ぶり。河野選手は「目の前の一戦を全力で。挑戦者という気持ちを忘れずに」ときっぱりと言った。

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