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注射器に移されていく新型コロナウイルスワクチン=2021年7月13日午後、千葉県鎌ケ谷市の東邦鎌谷病院、関田航撮影

 次の感染症の危機に備え、政府は18日、ワクチンや治療薬の研究開発のために健康な人に病原体を感染させる「ヒトチャレンジ試験」の導入の必要性について調査することを決めた。速やかなワクチン開発のために導入を求める声が上がっているが、倫理的な課題もあり、慎重に検討を進める。この日、政府が決定した医療分野の研究計画に盛り込まれた。

 ヒトチャレンジ試験は、ウイルスなどの病原体を意図的に健康な人に感染させて、病気の発症や病状の経過をみたり、薬やワクチンの候補の効果を確かめたりする方法。欧米ではコレラや腸チフスなどのワクチン開発で行われてきた。コロナ禍でも英国で実施された。

 日本は新型コロナに対する国産の薬やワクチンの承認が海外製より数年遅れた。計画を議論した専門家調査会で、国立感染症研究所の脇田隆字所長は、ワクチン開発の治験を国際水準に引き上げるためとし、ヒトチャレンジ試験の必要性を主張していた。

 世界保健機関(WHO)はヒ…

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