平和や反核を訴えた画家で詩人の四國五郎(1924~2014)の朗読詩「ひろしまの子」が絵本となり、被爆80年の今夏に出版される。
《あなたの隣を見てください ひろしまの子がいませんか》
「ひろしまの子」は1980年、広島で開催された原水爆禁止世界大会で四國が朗読した。被爆死した子どもたちの無念を訴え、平和な社会を築くよう呼びかけた。
大阪を拠点に平和をテーマにした絵本を手がけてきた長谷川義史さん(64)は、23年8月に知人からの紹介でこの詩を知った。
《ひろしまの子は 丸顔です すんだ眸(ひとみ)をしています あなたを凝(じ)っと見つめています》
そんな一節から、こちらを見つめるふっくらした顔の子どもが浮かんだ。「これは絵本にできる。絵本にしなければいけない」。すぐに四國の長男・光さん(69)に連絡を取り、出版の許可を得た。
「当事者ではないのに、いいのか」
制作で何より苦労したのは…