あの「成瀬あかり」が漫画の世界でも大活躍――。大津市などを舞台に地元愛あふれる少女がマイペースを貫く姿を描き、2024年の本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)のコミック版が9日、発売された。原作者の作家、宮島未奈さんは「動いている成瀬がかわいい。原作との違いも楽しんでほしい」と話している。

 原作は大津市在住の宮島さんのデビュー作。主人公の成瀬あかりが幼なじみの島崎みゆきを相方に、閉店が決まった西武大津店に「夏を捧げ」たり、お笑いの「M-1グランプリ」に挑戦したりと強烈な個性を発揮する。発行部数は続編の「成瀬は信じた道をいく」とあわせて累計約98万部に及ぶ。

眉間りりしく、瞳きらきら

 作画は滋賀県守山市在住の漫画家、小畠泪(おばたるい)さんが担当した。今回が3作品目で、女の子のキャラクターをかわいらしく描いてもらえそうなことが起用の理由という。

 「成瀬は意思の強さを表すために、眉毛をりりしくして、瞳がきらきらする感じに。島崎は、成瀬との対比でやわらかい雰囲気にして、表情がころころ変わるように描いた」と小畠さん。

 原作の表紙などの成瀬のイラストは、イラストレーターのざしきわらしさん作。

 漫画用に話を組み立て直し…

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