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サルミさん兄弟が作った義足を使うアフマド・サアドさん。避難先でテント生活を続けている=2024年8月14日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス、ムハンマド・マンスール撮影

 イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでは、人口約220万人の2%に相当する4万人以上が死亡し、9万人を超える人が負傷した。爆撃で手足を失った人たちの姿がめずらしくなくなった。そんなガザで、負傷した人たちを支える「ささやかな」試みが始まっている。現地のムハンマド・マンスール朝日新聞通信員が報告する。

 何もかも失ったガザに、大量にあふれているものがある。爆撃や砲撃で街が破壊された後に残る、がれきだ。

 サラハ・サルミさん(36)とムハンマドさん(25)の兄弟は、辺りに転がる木材の破片やプラスチック製の下水管を使って、イスラエル軍の攻撃で体の一部を失った人々のために、義足をつくるプロジェクトを始めた。

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 手ごろな形の木片を、伸縮性のある布にくるんで詰める。継ぎ目などは、先がラッパ状に広がった下水管の形も利用して、固定する。細かな調整は、火をおこしてプラスチック部分をあぶることで行う。

拷問の中で見た苦しみ 「心支える足つくりたい」

 思いついたのは、サラハさん…

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