アニメ「わんだふるぷりきゅあ!」(ABCテレビ・テレビ朝日系、日曜朝8時30分)では9月末から10月にかけて、大きな動きがありました。

 主人公のひとりで、キュアフレンディに変身する犬飼いろはが、中学校の同級生・兎山悟に告白され、交際をスタートさせたのです。「彼氏がいるプリキュア」はシリーズ初の試みです。

 いろはの飼い犬・こむぎは、そばでどう見守っていたのでしょうか。こむぎ役の長縄まりあさんに、収録の裏話も含めて聞きました。

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 台本をいただいたとき、次回予告のところに「デート」という文字があって、「いろはと悟くんが付き合うんだ」と知りました。そのときの私の第一声は「えぇ! こむぎとのお散歩の時間もとってほしいワン……」。思わずそう言葉に出てしまったんですね。

 こむぎにとっては、「好き」の形は1個しかなかった。「恋人として好き」ということが何なのかは、あんまりわからないままかもしれません。

 友だちのまゆちゃんが、いろはと悟くんの仲を見て「わーっ」となっていましたが、こむぎにとっては「なんでだろう?」。

 初めて悟くんの告白を受けたときも、いろはが顔をボッと赤くさせて、「バイバイ!」と走り去ってしまう。いろはは「あなたの声が聞きたい」と言って、なんでも受け止める性格なのに、「なんで?」。

 そんな風に、心配というか、何が起きているんだろう、という気持ちだったかもしれません。でも、そこが異彩を放っていますよね。

 みんな「恋愛って素敵だね」と言うけど、「ライクとラブの違いって何?」と聞けるのがこむぎ。視聴者として、その疑問に答えを出そうとすると、意外と難しいですよね。素直に「知らない」「分からない」を言えるこむぎは、素敵だなと思いました。

(手前から時計回りに)こむぎ、悟、いろは、ニコ©ABC-A・東映アニメーション

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 第36話(10月6日放送)で、いろはが「悟くんじゃなきゃだめなの!」と叫ぶシーンを収録するとき、いろは役の種﨑敦美さんが、すごく悩んでいるように見えました。

 これまで収録を一緒にしてき…

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