閣議後会見に臨む加藤勝信財務相=2025年5月20日午前9時57分、東京・霞が関の財務省、福冨旅史撮影

 福島県いわき市のいわき信用組合が、預金者の名義を使って無断で別の口座を作り、その口座へ融資を行う形で資金を流出させていた疑いがある問題で、加藤勝信財務相は20日の閣議後会見で、「大変遺憾だ。同信組には徹底した原因究明、実効性のある再発防止策を強く求めている。法令にのっとり厳正に対応していきたい」と述べた。

  • 顧客名義の口座を無断で偽造、架空融資 不良債権隠しか いわき信組

 金融庁は東日本大震災を受けて2012年1月、いわき信組に200億円の資本増強をしている。加藤財務相は会見で、200億円の使い道について「いわき信用組合に確認しているところ。そうしたことも含めて最終的な判断をしたい」と話した。

 いわき信組をめぐっては、預金者の中から名義とする人を選び、預金者名の印鑑を無断で用意して口座開設書類を偽造し、架空融資していた疑いが朝日新聞の報道で判明。大口取引先への融資が不良債権化したことを隠そうと、返済の肩代わりに使っていたという。不正は少なくとも10年以上続いていたとされ、裁判所が証拠として保全したリストには、融資額として、24年秋時点で約90口座、計17億円超が記されていたという。

【動画】いわき信用組合の不正疑いについて、元職員が証言

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