Smiley face
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今年のR1優勝者、街裏ぴんくさん=大阪市北区、槌谷綾二撮影
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 職業、漫談家。今年3月に放送された「R―1グランプリ」(関西テレビ制作)で優勝した街裏ぴんく(39)は、うそを織り交ぜたファンタジー漫談を武器に、テレビや舞台で活躍している。R―1優勝からまもなく半年を迎える。改めて漫談の魅力について、正面から語ってもらった。

 ――名前と風貌(ふうぼう)から下ネタの漫談家と誤解されることが多いとか。

 この前、同期のかまいたちの2人にも言われました。絶対エロ漫談する人やと思ってたって。持ちネタ、アンパンマンですよ。まあギャップがあってええんかなと思ってます。

 今は東京が主戦場なんですが、大阪でやってたころは、暴言漫談していました。「じゃかましいわ、こらー!」っておっちゃんが怒るみたいに。でも、舞台後のアンケートで「怖い」って書かれて。見た目もいかついので、せめて漫談では違うことをしようと模索しました。

 うそやファンタジーは「しゃべりの空想」なんですよね。支離滅裂で意味が通じていないのに、なぜか笑える。当初はペットボトルの形をした外国人が側転で転がってきた、といった意味が分からないことをネタにしていたんですが、全然うけんくて。事実をベースに一本のストーリーを作ることを意識して、時折うそを交ぜた自分なりの漫談を見つけました。

 ――漫談をする中で、大切にしていることはありますか。

 漫談って、漫才のような掛け合いの派手さもないし、落語のような教訓みたいなものもない。漫才が2人の会話ならば、漫談はお客さんとの対話なんです。

 お客さんに向かって自分の表現したい、好きなことをぶつける感覚。突っ込んでくれる人もいないので、自分で言い放って自己解決しないといけない。「届け情熱」といっつも思ってやってます。

 なので、漫談はすべった時はめっちゃ分かりやすいです。お客さんにはね返されるんですよね、空気を。「話芸の変態」を、変態がやってます。ここでの変態は、マニアックという意味。普通の人なら、心が折れますよ。

 ――R―1優勝からしばらく…

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