車や原付きバイクで街を走り、手紙や荷物を届ける郵便局の配達員の1人が、点呼を受けず、酩酊(めいてい)状態で車を運転していた。その後も不適切な点呼は日本郵便で横行。配達の現場からは、実態を告発する声が朝日新聞に次々に届いている。
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東海地方の郵便局で内勤をする男性社員は「乗務前の点呼は実施しているが、乗務後はここ2年ほど見たことがない」と話す。
「飲酒すら確認できない」
平日の夕方以降、配達を終えた社員らが郵便局に続々と戻ってくる。一様に点呼場所を素通りし、車両の鍵と車検証の入った箱を返却する。
「置いておくね」「はーい、わかりました」
配達員は内勤社員と目も合わさず、返事だけ聞いて帰っていく。点呼の記録簿には、「夜勤の社員が配達員の退勤時間の直前に点呼を実施したかのように帳尻を合わせ、うその記録を書いている」と明かす。「業務中の飲酒すら確認できない状態だ。飲酒の抑止力もない」
朝日新聞が問題を報じた後の13日、局内の会議で幹部が乗務後の点呼を実施していなかったことを認め、「今後はアルコール検査や体調などの聴き取りをしっかりやっていく」と話したという。男性は「これまでの幹部の責任も問われるべきだ」と言う。
郵便局の幹部「こっちでやっておくから」
東京都内の郵便局で集配業務…