映画「ヒックとドラゴン」は9月5日公開

 ただいまベネチア国際映画祭に来ています。私にとって4年ぶり4回目で、今年2月のベルリン国際映画祭にも行ったので1年のうちに世界3大映画祭を二つ取材。これは記者人生で初めてです。映画祭の華であるコンペティション部門の作品を中心にひたすら映画を見る日々。その合間に、カジノに使われていた建物の4階にある広いプレスルームでこの原稿を打っております。窓の外は青いアドリア海。11年前のアニマゲ丼もこんな書き出しだったなぁ。

 カンヌはコンペに巨匠をずらりと並べて権威を誇り、世界的スターが入れ代わり立ち代わり顔を見せてとにかく派手。ベルリンは社会派を好み硬派ですが、ここのところカンヌやベネチアに比べ地味で存在感が低下気味。寒いですが大都市での開催なので、東京で仕事をしているのと同じような快適さがあります。ベネチアは私の印象に限ると珍作、怪作、ハリウッド大作、ドキュメンタリーに社会派と実に多種多彩。地中海のリゾート地ということでカンヌに似ていますが、観光客ひしめくベネチア本島から離れたリド島での開催なので少しのんびりした雰囲気が漂います。プレスパスを首に提げた人たちでごった返していますが。

 しかし今回の本欄のネタは、ベネチアと関係ない9月5日公開の映画「ヒックとドラゴン」。2010年のアニメ版で脚本・監督を担当したディーン・デュボアさんが実写版のオファーを受けて映像化した作品ですが、私の頭の中にあるアニメ第1作と何一つ印象が変わらないのでまさに“ザ・実写版”です。「違う……」といった戸惑いも「すごくなった!」という驚きも、そんなにありません。楽しいけど、これでいいのかな。

 物語の舞台は、バイキングた…

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