JR大阪駅北側のうめきたエリアに昨春開業した大阪駅(うめきた地下口)。JR西日本はこの地下ホームを、イノベーション(技術革新)の実験場と位置づけ、先進技術をいかした設備を設けてきた。来春に大阪・関西万博の開催を控え、オーバーツーリズム(観光公害)対策にと、新たな試みに取り組んでいる。
ロッカーに荷物を入れると、当日の夕方までに宿泊先のホテルまで運んでくれる――。そんなサービスの実証実験を、JR西が3月からうめきた地下口などで続けている。
このエリアでは昨春から、スマートフォンのアプリで事前予約などができる「スマートロッカー」で、ネット注文した商品を受け取れるサービスを始めていた。実証実験を続ける「ピクラクポーター」と名付けたサービスは、このロッカーを活用した取り組みだ。
万博開幕を2年後に控えた昨春以降、担当者たちがオーバーツーリズム対策に貢献できないかと検討。鉄道では多くの旅行客が車内にスーツケースを持ち込み、混雑の要因となることが課題となっていた。
ただ、前例のない取り組みだけに、配送するホテルの数や料金の設定、システムの開発などの課題をクリアしていった。
サービスに対応するロッカーの設置場所は、旅行者らが万博会場まで向かうルート上の駅などを検討した。大阪府内では現在、大阪駅はうめきた地下口の改札横など6カ所にあり、新大阪駅、ユニバーサルシティ駅、京橋駅、新今宮駅にも設置している。ロッカーの扉の数は、大扉91▽中扉77▽小扉91▽冷蔵16。
荷物の受け付けは午後2時ま…