奈良で「ホトケ女史」として活動する安達えみさん=本人提供

 多忙なアニメ制作会社勤務の中で、テレビの深夜番組にハマり、いとうせいこう・みうらじゅんコンビの「見仏記」と出会った安達えみさん。いよいよ「ホトケ女史」への第一歩を踏み出します。

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ハードルが高かったお寺

 私が育った町は新興住宅地で、地域にはお寺も神社もなかった。こざっぱりした平和な町で育った私は、多くの日本人同様、お寺といえばお墓参りに行くところという印象しかなかったし、実際にその程度の経験しかなかった。

 しかし20代前半、ふとしたきっかけから仕事の合間に全国のお寺を巡る旅エッセー『見仏記(けんぶつき)』を読み始めることとなる。

 今振り返ると『見仏記』は後の仏像ブームを作り出した伝説的な本だ。文章は日本人ラップの先駆者であり、タレントや小説家でもあるいとうせいこう氏。作中イラストは「マイブーム」「ゆるキャラ」などの流行語を生みだし、漫画家やイラストレーターなどでも活躍するみうらじゅん氏が担当。『見仏記』1作目、2人はおそらく30代前半だったのではないだろうか。

仲良し2人組が見せる異常な興奮

 おかっぱ頭とロン毛サングラ…

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