ペットの飼い主に寄り添い、ていねいなお別れをしてもらいたい――。移動式ペット葬儀屋「花のうてな」を昨年12月に立ち上げた。希望の場所まで車で赴き、火葬と法要を営む。
代表の樫尾佳弥さん(49)は、和歌山県海南市且来(あっそ)の「永楽寺」僧侶。同寺で育ち、大阪府羽曳野市の大学で仏教を学んだ。卒業後は服飾関係の企業に就職したが、販売ノルマがきつくて1年で退職した。公務員を目指し専門学校で2年間、勉強した。
「生まれ育った海南市へ恩返しがしたい」と、当時の海南市長との面接で訴えた。2000年に25歳で市職員に採用され、福祉関係や子育て支援など、市民からの生活相談にのってきた。
人の悩みや相談を聞くうち、ペットを失った飼い主が悲しむ「ペットロス」や、高齢者が火葬場に足を運ぶことが難しいケースもあることなどを知った。
永楽寺の境内には、野良猫や…