気候変動の話をしよう①
日々のお天気コーナーで、気候変動の影響を伝えないと間に合わない――。
報道が変わることでアクションに変えていこうとする共同声明が本格的な夏を前にした6月、気象予報士とキャスターたちから発表された。呼びかけ人となったのが、気象キャスターの井田寛子さん(45)。
日々の天気には関心が高いのに、気候変動へのアクションが広がらない理由とは? その背景や今後の取り組みについて聞いた。
気候変動への危機感を共有し、多くの人たちのアクションにつなげていく。そのためのコミュニケーションのあり方について、様々な立場の方から、意見を聞くインタビューシリーズです。
――6月に出した声明の内容と理由とは?
日頃の放送の中で、気候変動への言及を増やしていこうというものです。天気予報は視聴率が高く、毎日欠かさずチェックする人が多い。一方で、10年に1度の暑さや、災害の特別警戒などを伝えても、単語としてだけ伝わり、気候変動の影響や根本の原因などについて結びつけて考える視聴者は限られます。
待ったなしの状況でメディアの伝え手として考えたときに、視聴者と身近な距離にある気象予報士やキャスターが今まで以上に、お天気コーナーの中で、気候変動の影響についてひとことを付け加える。それを続けることでアクションにつなげたい。スピーディーに連携しないと間に合わないとの危機感からです。
声明を出すにあたり、気象予報士とキャスターにアンケートを実施しました。130人の回答のうち、「気象情報の中で気候変動の影響を感じている」は96%、「危機感を感じている」は94%でした。
一方、「気象情報の中で気候変動について伝えたことがある」は6割にとどまった。それでも、8割超が「気候変動についてもっと伝えるべき」だと考えていることも分かりました。
お天気と気候変動 セットで伝える
伝えたいのに、伝えられていない。
その原因として、「自分の知…