デビュー10年以内の若手芸人の頂点を決める「ABCお笑いグランプリ2024」の決勝が7日、大阪市内であった。優勝したのは、令和ロマン(吉本興業)。昨年末、今や「国民的行事」ともなったM―1グランプリを制し、勢いに乗るコンビだ。バラエティー番組などに活躍の場を広げる歴代M―1王者が多い中、なぜ、関西発の若手賞レースへの出場を決めたのか。
お笑いグランプリは、今年で45回目を迎えた人気芸人への登竜門。漫才、コント、ピン芸など何でもありの「異種格闘技戦」とも評される大会だ。全国から568組がエントリーし、12組の若手が決勝に勝ち上がった。
令和ロマン、抜群の安定感
令和ロマンは、慶応大のお笑いサークルの先輩後輩だった高比良くるま(29)=東京都出身=と松井ケムリ(31)=神奈川県出身=が2018年に結成。高比良のストーリー性のある一人コントに、松井が冷静にツッコミを入れるスタイルが特徴だ。
決勝でも、ベテランのような息の合った漫才で会場を沸かせた。1本目は、奇妙な風習が残る「猫島」に松井が巻き込まれるという設定。ちょっとしたホラー要素に加え、島の人が特徴的でツッコミどころ満載。高比良に松井がぼそぼそとツッコミを入れて、笑いを誘った。
ファイナルステージで披露した2本目の「実家」も抜群の安定感。トリオの青色1号(太田プロ)、総勢8人でコントを繰り広げたダウ90000(YOU GO sign)を破り、下馬評通り頂点に立った。
実は令和ロマン、ここ2年間は準優勝に終わっていた。
3度目の正直でつかんだ栄冠
昨年の決勝では、ファイナル…