桂由美さん追悼ファッションショー「Yumi – celebration of life -」から。秋川雅史さんの歌う「千の風になって」にのせて冨永愛さんが披露したファーストルック

 「お葬式なんていらないから、その代わりにショーをしてほしい」――。4月に亡くなったブライダルファッションデザイナー・桂由美さんは生前、こう語っていたという。追悼ファッションショー「Yumi – celebration of life -」が9日に帝国ホテル東京で開かれ、デザイナー人生59年の軌跡をたどるアーカイブ作品100着が披露された。

 1時間半に及んだショーの幕開けは、「新婦の体に負担がかからないような軽いウェディングドレス」を作りたいという桂さんの願いから実現した、総重量わずか600グラムのドレス。テノール歌手・秋川雅史さんの歌う「千の風になって」に乗せてモデルの冨永愛さんが歩を進めるたび、「フェアリーフェザー」と呼ばれる繊細な絹織物が風を含んで舞った。

 ショーは場面ごとにがらりと趣向を変え、ブランドの多彩なスタイルを紹介した。大振り袖のお引きずりに想を得た「ユミライン」ドレス5型は桂さんへのオマージュとして、桂さんのトレードマークだったターバンとコーディネート。アコヤ真珠1万3262個を一枚のレースのように全身に刺繡(ししゅう)し、ギネス世界記録に認定されたドレスも登場した。

 桂さんが最晩年まで取り組ん…

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