厳しい残暑が続く熊本市中央区の上通(かみとおり)アーケード街で、阿蘇をイメージしたかき氷が人気を集めている。創業130年近いかばん店が近くに移転、その跡地につくった創作スイーツの店だ。小さな店内に、オーナーの地元愛と「マチ」への思いが詰まっている。
アーケードの北端近く、「創業1897 岩﨑鞄(かばん)店」と掲げられたビルに「菓舗まるいわ」ののれんが揺れる。かばん店は、キャンバス地に「さしより(とりあえず)」や「ばっ(驚いた時の「うわっ」)」などの方言をあしらったオリジナルバッグで知られる。
4代目の夫、岩﨑宏昭さん(55)から社長を継いだ5代目、公子さん(53)は最初、カフェを併設したかばん屋にするつもりだったが、思い切って全面的に和菓子の店にした。
革に包と書いて鞄。かばん店は近くに残しつつ、「自分たちの思いをお菓子に包んで、新しいことにチャレンジする道を選んだ」。店名も「岩」を丸く包んで「まるいわ」に。
定番商品は持ち帰りがメイン…