Smiley face
米ニューヨークの裁判所で2024年4月18日、トランプ前大統領(左端)の訴訟で、検察官(中央)が陪審員団に質問している。絵・エリザベス・ウィリアムズ=AP
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コラム「トランプ法廷」③

 「出版業界で働き、結婚して3人の子どもがいます。趣味はテニスで、PTAにも参加しています……」

 米ニューヨークで開かれているトランプ前大統領の刑事裁判で18日、陪審員候補が自己紹介するのを聴きながら、11年前の記憶がよみがえった。

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 米国生まれで米国籍を持つ記者(中井)も、2013年、同じ裁判所で陪審員として選ばれ、審理に参加したことがある。その時も、選任手続きで同じような質問に答えた。

 「あなたや家族、親しい友人が犯罪被害に遭ったことはありますか」「この法廷で示された証拠だけに基づいて判断すると保証できますか」――。裁判所が事前に用意した質問に対し、陪審員候補が答えていくプロセスも似ていた。候補者の回答も踏まえ、弁護側、検察側それぞれが「この候補は外したい」といった主張をして、次第に陪審員が絞られていく。

 しかし、いま目の当たりにしているのは、米国史上初となる大統領経験者の刑事裁判だ。トランプ氏は11月の大統領選の候補者でもある。当然ながら、記者が参加した裁判とは違いも多かった。

普段は辞退が認められないが…

 米国で陪審員として選ばれれ…

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